RS ウイルス感染症

RSウイルスとは

RSウイルスは呼吸器感染症の原因となるウイルスです。1歳までに約70%のお子さんが感染し、2歳までにほぼ全てのお子さんが感染すると言われています。1回かかっても免疫がつきにくいため、繰り返しかかることがあります。RSウイルスの流行は以前は秋から春先までだったのですが、最近は初夏から流行が始まり9月頃がピークになってきました。
RSウイルスに感染すると、鼻水、咳、発熱などの症状がみられます。1歳未満の赤ちゃん(特に生後3ヶ月未満)、生まれつき心臓や呼吸器に病気を持っている赤ちゃん、早産時の赤ちゃんは、細気管支炎や無呼吸など重症化する可能性があり注意が必要です。年齢が大きいお子さんや大人は普通の風邪と同じ症状で済むことが多いです。

RSウイルスの検査について

鼻の穴に細い綿棒を入れてぬぐい液を採取し、RSウイルスがいるかどうか検査します。
外来で保険の検査を受けることができるお子さんは、重症化しやすい1歳未満のお子さんや、心疾患や肺疾患などの基礎疾患のあるお子さんに限られます。

治療

RSウイルスの特効薬となる抗ウイルス薬はありませんので、症状を楽にするお薬を飲んでもらったり、吸入をしたりして治療します。自宅では安静に過ごし、お部屋の湿度や温度を適切に保ちましょう。ゼーゼーして熱もある時はいつもより水分を消費しますので、ミルクやイオン水など水分をこまめに与えましょう。咳やゼーゼーがある時は上半身を起こしている方が楽ですので、赤ちゃんが咳で起きてしまう時は抱っこで寝かせてあげると良いでしょう。
重症化するリスクが高いと考えられるお子さんでは、重症化する前に入院できる病院にご紹介することもあります。

予防

飛沫感染と接触感染が原因となります。感染した家族のくしゃみや咳を赤ちゃんが吸い込むと感染しますので、咳エチケットに気を付けましょう。また、ウイルスが付着したものを赤ちゃんが口に入れたり、ウイルスが付いた手で家族が赤ちゃんに触れたりすることも原因になりますので、おもちゃや家のドアノブなどは清潔に保ちましょう。一般的な消毒用アルコールも有効です。
早産児、心臓や肺に疾患のある乳幼児、免疫不全状態にある乳幼児、ダウン症候群の乳幼児の方には、保険で受けることができる予防接種(シナジス)があります。当院ではシナジスの取り扱いがありませんが、以下のサイトでお近くの医療機関を検索することができます。
https://www.small-baby.com

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