乗り物酔い
楽しいはずの遠足や旅行も、乗り物酔いしやすいお子さんにとってはちょっと気がかりです。
人間の体には動いても倒れないよう自動的に姿勢を保つための平衡機能があり、内耳がその役割をしています。乗り物が揺れると前後左右や上下の刺激を内耳が受け取りますが、慣れない刺激が繰り返されると脳が自律神経にまで余計な信号を送ってしまい、その結果、生あくび、冷や汗、気持ち悪さ、嘔吐などの症状が起こってしまいます。
乗り物酔いの予防としては、
- 寝不足や便秘にならないように気をつける
- 食べ過ぎや空腹で乗り物に乗らない
- 乗り物の中でゲーム機や携帯電話を見たり、本を読んだりしない
- 車内で歌を歌うなど楽しいことをする
- 換気をして、蒸し暑くなったり空気がこもったりしないようにする
- タオル、着替え、吐くための袋などを準備して乗車し、「気持ち悪くなっても大丈夫」とリラックスする
など、お子さんと一緒に工夫をしましょう。
いろいろ工夫をしてもお子さんが毎回乗り物酔いしてしまう場合には、市販のこども用の酔い止めに病院の処方薬を加えることもできますので、乗り物の乗り方も含めて一緒に対策を考えたいと思います。
誤飲
こどもはハイハイを始めた頃から、口の中に入れて欲しくないものを見つける名人になります。誤飲(食べ物以外を誤って飲み込むこと)による事故は5歳以下のこどもに多く、身近にあるいろいろなものが原因となります。こどもが口の中に入れてしまうと危ないものは、立って手を伸ばしても届かない場所に置きましょう。こどもが何か口の中に入れている時は、つい慌てて大きな声で呼びかけてしまいそうになりますが、こどもが驚いて飲み込んでしまわないよう、落ち着いてそっと声をかけましょう。
誤飲したかどうか判断できない場合
誤飲したかもしれない場合には、誤飲したと考えて対処してください。また、突然吐く、不機嫌になった、顔色が悪い、咳き込むなども誤飲が原因の場合は緊急に治療が必要な場合がありますので、すぐに受診してください。
緊急受診が必要な物
吸い殻を含む煙草、ボタン電池、硬貨、ビー玉などのガラス製品、ポリやビニールの袋、ピアス、玩具、フィギュアなどの一部、洗剤、漂白剤、防虫剤、ホウ酸団子、灯油、マニキュアや除光液、ヘアカラー、除湿剤、アルコール、薬、薬のシートやホチキスの針など鋭利な物を飲み込んだ可能性がある場合には、すぐに医療機関を受診してください。
アルコールはなめた程度でしたらそれほど問題ありませんが、少量でも急性アルコール中毒になる可能性がありますので、ご注意ください。
少量であれば、あまり心配がない物
誤飲した量が多い場合や症状が起こっている場合は緊急に受診する必要がありますが、少量の場合には様子に変わりがなければ経過観察してから受診しても大丈夫な物もあります。クレヨン、絵具、粘土、石鹸、シャボン玉液などです。また、シリカゲル、蚊取り線香も少量でしたら経過観察してから受診しても大丈夫です。ただし、少しでも様子がおかしい場合はすぐに受診してください。
受診の際に
「いつ」「どんなものを(製品名、大きさ、性状など)」「どのくらい(量、個数)」飲み込んだのか、できるだけ正確に教えてください。また、飲み込んだ物の説明書、添付文書、パッケージなどがある場合は持参してください。
誤飲した場合の対処
ガソリンや灯油、鋭利な物などは吐かせると食道を傷付けたり、窒息させたりしてしまう可能性があります。何を誤飲したかわからない場合には対処しないで医療機関を受診してください。
自己判断せず、薬物やタバコを飲み込んだ場合は、中毒110番に対応方法を聞くこともできます。
中毒110番・電話サービス
公益財団法人 日本中毒情報センター
https://www.j-poison-ic.jp/110serviece/
気道異物による窒息
大人が目を離している時に、乳幼児が窒息の危険のあるものを口に入れてしまう事故は、どこのご家庭にも起こり得ます。直径39mm以下のもの(トイレットペーパーの芯を通る大きさが目安)は、すべて誤飲してしまう危険性があります。おもちゃ、日用品(ビニール袋や布)、食べ物など、身近なところに危険はあります。
食べ物は、丸いつるっとしたもの(プチトマト、ブドウ、うずらの卵、丸いチーズ、ソーセージ、こんにゃく、カップゼリー、白玉団子、アメ、ピーナッツや豆など)、粘着性があって飲み込みにくいもの(餅、焼き芋、カステラなど)、嚙み切りにくいもの(エビ、イカ、肉、きのこ、グミ、海苔など)、には気を付けましょう。年齢に合った刻み方や調理法を工夫したり、そばについて食べ方を教えたりしましょう。
おもちゃは、スーパーボール、シール、コイン、車や人形の付属品などで、不慮の事故が起こっています。年上の兄弟やお友達のおもちゃを口に入れてしまい、事故になるケースが多いです。