小児科(こどもに多い病気)

おなかの症状

おなかの症状腹痛はこどもが起こしやすい症状の1つで、ほとんどの場合は問題なく回復しますが、適切な治療が早期に必要な重大な病気が隠れていることもあります。
まだ小さいお子さんの場合、おなか以外の痛みや辛さを「ぽんぽん(おなか)いたい」と訴えていることもあります。
吐いている時は、おなかだけが原因でないこともあります。
いつもと違う様子や異変に気が付いたら、早めにご相談にお越しください。

こどもの腹痛で多い病気

便秘症

こどもにも便秘は珍しくありません。便秘は便を出しにくいだけでなく、おなかにたまった便やガスで腹痛を起こします。便秘は数日間排便がない状態だけでなく、毎日排便があっても量が充分ではないタイプの便秘もあります。こどもの便秘も、食事をはじめとした生活習慣、体質、ストレスなど、さまざまな原因で起こります。特に、トイレを我慢するといった排便習慣の乱れから便秘になるケースがよくあります。トイレトレーニング、園や学校などの集団生活では、こどもが便意を我慢してしまい、その結果便秘になるケースがよくあります。また、便意を我慢すると便が硬くなり、排泄の際に肛門が切れやすくなって、その痛みを避けるために習慣的な便意の我慢が続くと便秘や切れ痔が慢性化・悪化してしまうこともあります。
当院では、一時的に便秘を解消するだけでなく、お子様が自分で楽しくスムーズに排便できることを目標にした適切な治療や生活指導を行っています。腹痛やおなかの張りを訴える、トイレに行きたがらない、いきんでも便が出ない、おならが増えた、体調に問題がないのに食欲がない、拭いた紙に血が付いているなど、便秘を疑う症状がありましたら早めにご相談ください。

感染性胃腸炎

ウイルスによって発症するウイルス性胃腸炎と、細菌によって発症する細菌性胃腸炎に大きく分けられます。主な症状は、腹痛、吐き気・嘔吐、下痢、発熱などです。
ウイルス性胃腸炎では冬に流行するノロウイルスやロタウイルスなどによる物が多く、集団感染を起こすこともあります。ウイルスに効果のある特効薬がないため、辛い症状を楽にしながら自然治癒を促します。
細菌性胃腸炎は、カンピロバクター、サルモネラ菌、O157などの病原性大腸菌といった細菌に汚染された食品を摂取することで発症するいわゆる食中毒で、夏に発生しやすい傾向があります。
原因がウイルスか細菌かによって治療法が変わることがあり、激しい下痢や血便がある時は必ず受診してください。
胃腸炎の治療はホームケアがとても大切です。
お子さんの症状が早く良くなるように、家族内に感染を広げないようにするために、その時に応じたホームケアをお伝えします。

腸重積

腸重積は腸管が腸管に入り込んでしまうことによって腸が閉塞する病気で、激しい痛みを起こします。腸重積の症状は、腹痛、不機嫌、嘔吐、血便(イチゴゼリー状)などですが、症状が全て出ないこともあります。生後数ヶ月から3歳までの乳幼児に腸重積の発症が多くなっています。乳児は言葉で痛みを伝えられませんが、通常の泣き方とは異なる激しい泣き方をするため、気付いたらできるだけ早く受診してください。腸重積は早期の診断と適切な治療が特に重要な病気で、症状が出てから24時間以内であれば8割は手術をせずに高圧浣腸で腸の重なりを戻すことができます。

虫垂炎

一般的には盲腸と呼ばれていますが、実際には細長い虫垂に炎症を起こしています。2〜3歳のお子さんでも発症することはありますが、一般的には4〜5歳頃から発症するようになり、10歳から中学生にかけて頻度が多くなっていきます。大人に比べて小児は急激に炎症が進行することがあります。症状は腹痛が最も多く、典型的な右下腹部痛が出るとは限らず、小さなお子さんではいつもより元気がなくて機嫌が悪いという症状で始まることもあります。

IgA血管炎(アレルギー性紫斑病)

少し盛り上がった紫斑が足に出ることが多いですが、腹痛だけが最初に出ることもあり、診断までに数日要することがあります。
主な症状としては、紫斑、むくみ、腹痛、関節痛などがあります。
3〜10歳のお子さんに多く、IgAという抗体がさまざまな臓器の小さい血管に沈着して起きる血管炎です。
原因は不明ですが、ウイルス・溶連菌・ブドウ球菌・マイコプラズマなどの感染症や、薬剤などのアレルギーが原因と考えられています。
安静と対症療法で良くなる患者さんが多いですが、腹痛や関節症状が強い場合、腎炎を合併する場合は、入院治療が必要になります。

TOPへ