水痘

みずぼうそう(水痘)とは

みずぼうそうは、水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染することで、水ぶくれを持った赤い発疹できる病気です。空気感染する強い感染力を持ったウイルスです。潜伏期間(感染を受けてから症状が出るまでの期間)は約2週間(10〜21日)と言われています。感染力は、発疹出現の2日前から、すべての水疱がかさぶたになるまであります。

どんな症状があるの?

強いかゆみを伴う発疹が出現し、熱が出ることもあります。水ぶくれ持った赤い発疹が胸やおなか、 背中、おでこや耳の後ろ、頭皮、口の中、陰部などに次々と出現します。通常は約5〜7日で全部の発疹が茶色のかさぶたになって治りますが、思春期以降の年長児や成人では発熱などの全身症状や発疹が強く現れることが多いと言われています。

治療法

内服薬

抗ウィルス薬やかゆみ止めの飲みぐすりを内服することが多いですが、基本的には持病が無く軽症の場合は 抗ウイルス薬を内服しなくても治ります。 抗ウイルス薬は、発疹が出現してから24時間以内の内服開始で治療効果が高いとされ、72時間過ぎてからの内服開始では治療効果はずいぶん下がってしまいます。

解熱剤

熱で辛い時は、解熱剤はアセトアミノフェン(カロナール、コカール、アンヒバ座薬、アルピニー座薬など)を使用します。みずぼうそうの時はアスピリンは使用してはいけません(重い脳症になることがあります)。

塗り薬

水疱の乾燥を促す軟膏を塗ることがあります。
水疱のある発疹にのみ、1日数回1つ1つの水疱を覆うように綿棒などで塗り、よく乾燥させます。

お休みする期間

水痘に感染した場合は、「すべての発疹がきれいにかさぶたになるまで」は自宅で過ごしていただく必要があります(診断から通常5〜7日間)。登校登園許可証が要る場合は、発疹が出始めて約1週間を目安に全てが「かさぶた」になってから受診してください。

ホームケア

入浴 熱がある間はお風呂やシャワーは控えます。熱が下がった後はシャワー浴はできますが、体があったまるとかゆみが増すため、かゆみがあるときは短時間で済ませましょう。
皮膚は清潔に保ったほうがよいですが、水ぶくれを破いてしまわないよう、こすらずに石鹸の泡で優しく手洗いし、体を拭くときもタオルを皮膚にそっと押し当てるようにして水分をとるようにします。水ぶくれの中の液体にはウイルスが含まれているため、発疹がつぶれると接触感染につながることがあります。タオルの共有は避けましょう。
また、浴室内での空気感染の可能性もあり、水痘の免疫がない人から別々に入浴し、換気に気をつけましょう。
食事 特に制限はありませんが、口の中に水疱ができて痛がる場合は刺激が少ない喉越しの良い食べ物にしましょう。
その他 爪を短めに切って、痒いけれど、かかないように気をつけましょう 。

こんな時は途中で受診を

  • 発疹が赤く腫れて化膿している時
  • 呼んでも反応が遅く元気がない時
  • 熱が3〜4日続く時

緊急的予防接種

水痘にかかったことがない人や水痘ワクチンを2回接種していない人が水痘の患者さんに接触した場合、接触後72時間以内に緊急的にワクチン接種をすれば、発症を予防または軽症化できる可能性があります(1歳以上で生ワクチン接種が禁忌でない健康な方)。兄弟のように接触が濃厚であると、緊急接種しても効果が不十分なことがあります。

解熱剤の注意

解熱剤使用の注意点として、水痘の患者さんにアスピリンを投与すると、ライ症候群という重篤な脳症を引き起こす可能性があります。解熱剤はアセトアミノフェン(商品名 : カロナール、コカール、アルピニー座薬、アンヒバ座薬など)であれば安全に使用できます。
※アスピリンを常用しているお子さん(川崎病罹患後など)が水痘に罹患した場合には、至急アスピリンを処方している主治医に連絡して治療方針を確認してください。

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